◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆真逆の二人 ステイング・パワーとダンサー
ホット・スペースの2曲めです。
ホット・スペース(SHM-CD)
正7:ダンサー
ブライアン・メイ作
この曲もドラムマシーンが使われていますが、
そこにロジャー・テイラーの生ドラムを重ねています。
ドラムのアンサンブルを作り出しています。
さて、ブライアン・メイのシンセベースのリフなのですが、
ピッチベンドを使って微妙なニュアンスを出しています。
ピッチベンドはギター風に言えば
チョーキングあるいはアーミングの
感じを出すためのレバーです。

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写真はホイールタイプですね。
マウス中央のスクロールホイールみたいな構造です。
このシンセベースリフに対して
ブライアン・メイは歌を乗せています。
このアプローチがステイング・パワーとは
真逆ということですね。
参考音源はなんと、スリラーです。
正8:スリラー マイケル・ジャクソン
あの有名なリフが出てきました。

スリラー(Blu-spec CD2) [ マイケル・ジャクソン ]
そして、もうひとつ有名なリフが出てきます。
正9:レッツ・グルーヴ アース・ウインド・アンド・ファイアー
1981年の Raise! 邦題:天空の女神に
収録されている曲です。

天空の女神 [ アース・ウインド&ファイアー ]
短めのリフに歌を乗せるのが一般的で
ブライアン・メイは踏襲しています。
それに対してフレディ・マーキュリーは
長めのリフに歌を乗せない手法です。
真逆ですね。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆クイーンの時代感覚
ちなみに、このようにしてみると
クイーンが大ヒットアルバムや曲を参考にして
ホット・スペースを作ったようにも見えます。
しかし、クイーンのアプローチはザ・ゲームから
始まっています。
それを踏まえて年代順に並べてみます。
1978年9月23日 ハート・オブ・グラス ブロンディ
1980年6月30日 ザ・ゲーム
1981年4月15日 ホワッチャ・ゴナ・ドゥー・フォー・ミー チャカ・カーン
1981年9月29日 ザ・トワイライト・クローン ハービー・ハンコック
1981年11月14日 レッツ・グルーヴ アース・ウインド・アンド・ファイアー
1982年5月21日 ホット・スペース
1982年12月1日 スリラー マイケル・ジャクソン
ザ・ゲーム(SHM-CD)
ホット・スペースはスリラーより半年も早いのですね。
むしろ、スリラーが集大成に見えます。
クイーンが時代感覚に敏感だったかがわかります。
なかでも、最も敏感なのはロジャー・テイラーでした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ロジャー・テイラーの最初のシングルA面
正10:コーリング・オール・ガールズ
ロジャー・テイラー作
この曲はあまり人気がないようですが、
ロジャー・テイラーの曲としては
初めてシングルA面になった曲です。
西脇辰弥さんは前回の放送で
そのように紹介しましたが、
票は集めませんでした。
ジョージ・ルーカスのTHX1138のパロディーの
プロモビデオも作られました。
SFの設定の面白い作品です。

グレイテスト・ビデオ・ヒッツ2 [ クイーン ]
コーリング・オール・ガールズは
ロジャー・テイラーの「今なムード」を醸し出す曲です。
コーリング・オール・ガールズは
スクラッチを使っています。
1982年にこの手法を用いているのは
当時としてはとても早かったのでした。
それが「今なムード」です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆フレディ・マーキュリーが歌いやすい曲
ロジャー・テイラーは初期の作品では
アルバムに自分の曲を1曲しか入れてもらえませんでした。
華麗なるレースまでがそうでした。
それらの曲は全て自分で歌っています。
世界に捧ぐ以降は2曲以上が採用されています。
それに伴いボーカルも
フレディ・マーキュリーにも歌ってもらっています。
シアー・ハート・アタックからがそうですね。
その頃のフレディ・マーキュリーの最高音はC#でした。
高い声を出せるロジャー・テイラーは
フレディ・マーキュリーの最高音までの歌を書きました。
ロック・イット
アクション・ディス・デイ
カミング・スーン
などが、そうです。
ですが、コーリング・オール・ガールズは
音域が多少低めです。
フレディ・マーキュリーが楽に歌える曲です。
そして、この取組がこの後のクイーンの
ヒットナンバーにつながっていきます。
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