◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆西脇音楽探偵のクイーンズ推理
順番は逆になりますが、
話題はザ・ナイト・カムズ・ダウンです。
この曲の始まりは、ドラムです。
スネアとバスドラの
定位をずらしているのが特徴です。
ロジャー・テイラーは主にラディックのドラムセットを
使っていたようです。
写真は、ロジャー・テイラーが使用していたセットでは
ありませんが、スネアとバスドラの配置は通常このようになります。

LUDWIG BREAKBEATS OUTFIT LC179 X023 AZURE SPARKLE ドラムセット【御茶ノ水ドラム館】
正面から見ると、ちょっとずれているので、
定位もずらしたようです。
より自然に近い定位に変わったと言えるでしょう。
ここで、ディ・レーン・リー・スタジオでの
デモバージョンを紹介してくれました。
ここでは、ドラムとバスドラの定位が中央に来ています。
正6:ザ・ナイト・カムズ・ダウン ディ・レーン・リー・スタジオバージョン
ブライアン・メイ作
聴いてみると、おっしゃるとおり、
スネアとバスドラが真ん中に聞こえます。
そして、データによるとデモバージョンと戦慄の王女バージョンでは
同じ音源を使っています。
ということは、スネアとバスドラをそれぞれ別のトラックで
録音しているということですね。
ここで、西脇音楽探偵のクイーンズ推理の発動です。
西脇さんが、レコーディングなどに関して、
推理を披露します。
しかし、変なバンドクイーンは、解析が難しく、
必ずしも正解とは限らないでしょう。
そこが面白いところでもあります。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆キープ・ユアセルフ・アライブのトラック
このアルバムは1973年に発表されました。
当時は16トラックで録音しています。
その16トラックをどのように使っていたかを
西脇さんが推理しました。
例として取り上げたのは、この当時の代表曲
キープ・ユアセルフ・アライブ でした。
ギター ・・・6
ベース ・・・1
リードボーカル ・・・2
コーラス ・・・2
タンバリン ・・・1
バスドラ ・・・1
スネア ・・・1
ドラムミックス ・・・2
最後のドラムミックスには
タム、フロアータムに1個ずつと、
オーバーヘッドで2個を混ぜ合わせたものを2個。
ドラムはたくさんのトラックが必要です。
裏3:キープ・ユアセルフ・アライブ
ブライアン・メイ作
このように細かく見ていくことにより、
若き日のクイーンの情熱と苦労を追体験でいます。
戦慄の王女(SHM-CD)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆サン・アンド・ドーター
正7:サン・アンド・ドーター
ブライアン・メイ作
リフがかっこいいヘヴィなロック、息子と娘です。
コーラスから始まるのですが、
紛れもなくブライアン・メイ得意の
ハードロックシリーズの第1作です。
この曲はデビュー前からライブで盛んに演奏していました。
そしてこの曲にギターソロのハイライトを入れていました。
その時のギターソロフレーズは分離して、
後にブライトン・ロックに移りました。
シアー・ハート・アタック(SHM-CD)
かの有名な津軽三味線風のソロの部分です。
つまり、あのソロのフレーズは
デビュー前から演っていたのです。
サン・アンド・ドーターはギターとベースのリフが
とっても魅力的です。
この曲の特徴はギターとベースがユニゾンであるということです。
他のバンドであれば、オクターブでやりそうなところです。
そうすると、かなりヘヴィメタルっぽくなります。
が、クイーンはあえてユニゾンです。
もちろんベースと歪んだギターでは音色が違います。
この2つの音を同じ高さで演奏することによって、
重すぎないクイーンらしいサウンドに仕上がっています。
裏4:ドゥーイング・オール・ライト
ブライアン・メイ、ティム・スタッフェル作
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆クイーンはロックにすら縛られない!
正8:ジーザス
フレディー・マーキュリー作
正9:セブン・シーズ・オブ・ライ(インスト) 邦題:輝ける七つの海(インスト)
フレディー・マーキュリー作
セブン・シーズ・オブ・ライはピアノ演奏で
ペダルを踏みっぱなしにするそうです。
残響をあえて残すことによって、
音が重なってハーモニーとなります。
和音をアルペジオで演奏するのですから、
次々と重なっていくと、和音になるわけですよね。
同じ手法はボヘミアン・ラプソディーの
イージーカム、イージーゴーのところにも使われているそうです。
クラッシックのピアノの手法としては
眉をひそめられるような奏法です。
裏5:マッド・ザ・スワイン
フレディー・マーキュリー作
なお、ここでお二人のトークのバックにかかっているのは、
マッド・ザ・スワインです。
ファーストアルバムのアウトテイクとも言われています。
ずっとお蔵入りだったのですが、
日本ではシングル ヘッドロングのカップリングで
リリースされました。
ヘッドロング+2
さて、
クイーンは、それまでの音楽の
概念に固執しないようなバンドであることが、
デビュー・アルバムだけでも、うかがい知れます。
西脇辰弥さん曰く
クイーンはロックにすら縛られない!
まさにそのとおりですね。
なるほどよく分かりました。
って、ちょっと待て!
1曲飛ばしたぞ。
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